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“Path to Innovation”は、イノベーション・コンサルティング会社i.labが運営するWEBジャーナルです。

イノベーションに関連した、アイデア創出手法やマネジメント方法、さらに、おすすめの論文や書籍について紹介します。また、注目すべき先端技術や社会事象などについても、イノベーションが発生し得る「機会」としての視点から解説していきます。

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人間中心デザインを内製化したメガバンク:英バークレイズ銀行(後編)

前編では、組織改革の側面にフォーカスして、英バークレイズ銀行が人間中心デザインという考え方を組織の中に取り込んでいったプロセスをご紹介しました。後編となる今回は、人間中心デザインの考え方が実際どのように事業の中で生かされたのか、そして、人間中心デザインはユーザーとバークレイズに何をもたらしたのか、ご紹介していきたいと思います。

Toshihiro Tsukahara / 2020.10.14

バークレイズにおけるエクスペリエンスデザインの意味合い


普段みなさんが生活している中で、銀行は金融資産を安全に管理する上で欠かせない存在となっているかと思います。

その一方で、「銀行が安心・安全に資産管理をしてくれるだけでなく、自分の目的・目標の達成に寄り添ってくれている感覚」はどれくらいあるでしょうか。

日常的に仕事として銀行のホールセール事業に関わっていたり、資産家として富裕層向けのアセットマネジメントサービスなどを活用している方にとっては当たり前の感覚かもしれませんが、銀行との接点が自分の給与や生活費を出し入れする口座の管理ぐらいしかない方からすると、なかなかイメージしにくい感覚なのではないでしょうか。

前編でご紹介したバークレイズ銀行のチーフデザインオフィサー、Noel Lyons 氏は、自身のポートフォリオサイトにて、バークレイズのデザインチームが考えるエクスペリエンスデザインのあり方を以下のように述べています。

「我々は5年間でバークレイズで活躍するデザインチームを育成しました。デザインチームは、当然私を含め、我々の目的に忠実に従います。その目的とは、“人々が前向きに彼らの人生を自信を持って歩むことを手助けすること”です。つまり、人々が抱えている大事なものを安全に守れるようにしてあげること、極力シンプルにマネジメントできるようにしてあげること、人々が自分自身のために設定したゴールや願望を達成しやすくしてあげること、が重要だということです。私たちデザインチームは我々のユーザーを取り巻くあらゆる課題・困難・夢や願いごとを理解し、ユーザーがよりよく生きることを応援するサービスを開発します。」1

この発言の面白いところは、ユーザーの目線で達成したいことを考えサポートすることに重点を置いており、「金融」や「お金」という言葉が一切出てこないところでしょう。

バークレイズのデザインチームが目指したのは、バークレイズの金融事業者としての機能を単に拡大・効率化することではありません。

これらが彼らデザインチームの仕事なのです。

ここからは、i.labインターン檜山より、ロンドン生活でバークレイズ銀行を利用した体験をご紹介します。バークレイズが実際に人々の生活にどのように寄り添い、前向きな働きかけをしているのか、みていきましょう。

「バークレイズ」を体験する


初めまして、i.labでインターンをしています、檜山悠太朗と申します。

私はHult International Business schoolというロンドンの大学に通っていることから、私自身や友人の体験を例に、ロンドンで暮らす一般の生活者がバークレイズとどのような関係性を築いているのか、その関係性を生み出すバークレイズのサービスがどんなものか、みなさんにご紹介します。

まずは簡単に私にとってバークレイズがどんな存在かお話します。私は、英国の4つの銀行口座を2年以上利用していますが、その中で、バークレイズをメインバンクとして使用しています。また、メインバンクとしてバークレイズを使えば使うほど、バークレイズに対するロイヤリティ(信頼、愛着)が年々高まっています。

その大きな理由の一つがアプリの使いやすさです。単に口座残高を確認したり、日本からの仕送りのやり取りに利用したりするだけでなく、友人と食事に行った際の割り勘やオンラインショッピングの際にもバークレイズのアプリを使用しています。

単に「私とバークレイズ銀行」の間のやり取りだけではなく、「私と友人」、「私と小売店」など、日々の生活におけるあらゆる金銭のやり取りにバークレイズアプリが入り込んでいると言っても過言ではありません。日本のサービスで例えるなら、メガバンクのアプリに、割り勘でよく使うLINE Payや楽天銀行アプリが組み込まれ、様々な小売店からオンラインショッピングができるYahoo!ショッピングや楽天市場が直接連携しているような感覚でしょうか。

バークレイズのアプリだと、単にお金の管理ができるだけでなく、管理しているお金を割り勘や購買など自分が使いたいと思った用途に合わせてシームレスに使うことができる、というのが個人的に気に入っているポイントです。
私にとってバークレイズは、単にお金を管理できる金庫ではなく、日常の金銭に関するあらゆるコミュニケーションを管理・サポートしてくれる仲介者的な存在であると言えるでしょう。

また、私の周囲でもバークレイズをメインバンクにしている学生が多いです。私のいる大学では、大学入学を機に他国からイギリスへやってくる学生が9割以上いるため、大学1年の最初にイギリスで生活するための銀行口座を開設する人がほとんどです。

バークレイズアプリの使い勝手の良さは大学の先輩などから聞くことも多く、インターネット上のレビューでも評価が高いため、私の友人の中では、メインバンクをバークレイズにする人が7割以上を占めていました。

2020年5月時点で、イギリスサーバー経由でダウンロードされた金融カテゴリーアプリでは、App Storeで5位、Google Playでは3位となっており、それぞれ4.8/5、4.5/5の高評価を得ています。なお、他のメインバンクとしてはHSBC 銀行、Lloyds 銀行などがあります。

ここまでにご紹介した通り、、バークレイズのアプリがユーザー目線でのエクスペリエンス向上に大きく貢献していることは間違いありません。

そのため、ここからはアプリについて、個々の機能も含めてもう少し詳しくご紹介したいと思います。

ユーザー中心でデザインされたアプリのエクスペリエンス


バークレイズ銀行アプリでは、残高照会、口座振り込み、引き落とし、国際送金など、私が日常的に使用するサービスが全てスマートフォンから操作可能です。

これだけでも十分便利ですが、このアプリには更にユーザーがバークレイズに夢中になっていく特徴的な機能があるので5つ紹介していきたいと思います。

  1. アプリだけで口座を開設できる

  2. 電話番号を使ってリアルタイムに割り勘ができる

  3. たった3回の画面移動でネットショッピングができる

  4. 信頼して使える高いセキュリティが担保されている

  5. ユーザーが支出する目的ごとに決済の可否を制限できる


1.アプリだけで口座を開設できる(撮影:i.lab, Inc.)

1つ目の特徴は、バークレイズとの一番最初の接点である口座開設がアプリで完結できることです。シンプルな機能ながらユーザー視点では非常に重要です。これがあるだけで、平日の忙しい時間帯に店舗に行かなくて済むだけでなく、自分の生活圏内に支店がなくても口座を開設できます。そのため、そもそも口座開設自体に割く時間や労力も少なく、なかなか支店に出向く時間が取れずに口座開設に挫折する可能性がかなり下がります。この点もバークレイズがメインバンクとして選ばれやすい大きな理由だと言えるでしょう。

私自身も渡英当初、家でスマホをポチポチするだけで口座が作れるので、「とりあえずバークレイズは口座作っておこう」という気持ちになりました。

2.電話番号を使ってリアルタイムに割り勘ができる(撮影:i.lab, Inc.)

2つ目の特徴として、このアプリには、口座番号と紐づいた電話番号を使って、家族や友人とリアルタイムにお金の受け渡しができる機能があります。

私自身はもっぱら友人との割り勘で使用することが多いのですが、振込先設定が口座番号ではなく電話番号であるという点が肝で、いざ割り勘するとなったときに電話番号だと、頭で覚えているので、すぐに相手に教えられます。また電話番号は、口座番号よりも、気持ちの面でも気軽に相手に教えられるように思います。口座番号は自分では暗記していないので、キャッシュカードや通帳、アプリの口座番号表示などを確認しなければならず、その状況を整えるだけで面倒に感じてしまった経験のある人も多いのではないでしょうか。

加えて、簡単に送金しあえるだけでなく、取引結果が数秒で反映されるため、インターネットと繋がってさえいれば、現金手渡しのような感覚で清算できたかどうかも即確認できます。

特に、ロンドン市内では、日常生活を送る上で現金をほとんど使わないため、現金での割り勘は好まれません。アプリ上であれば細かな端数まで一瞬で割り勘分を送金しあえるので、私自身、この機能を使わない日はないほどで、恋人や友人とパブやレストランに行く際によく利用していました。

口座振り込みのやり取りの起点を「口座番号入力」ではなく「電話番号入力」にするというほんの少しの工夫が、ユーザーがスマホ一つで行うお金の受け渡しをより身近にしてくれています。

3.たった3回の画面移動でネットショッピングができる(撮影:i.lab, Inc.)

3つ目の特徴は、ネットショッピングを手早くできることです。
ショッピング機能自体はアプリ内から提携先企業のオンラインショップにいき、買い物をすると数%のキャッシュバックがあるというものです。私はBootsという薬局やExpediaというホテル・航空券価格比較ウェブサイトでの旅行予約全般に利用していました。

この機能自体は他でも見かけますので目新しいものではないと思いますが、バークレイズアプリの便利なところはアプリのトップ画面から3クリックでお買い物画面まですぐに辿りつけるという点です。

日本でもクレジットカードのオンラインサービスなどによくある機能だと思いますが、ショッピング画面にたどり着くまでにパスワード・IDの入力、多数の画面移動が必要で、機能として存在していても使ったことがない、という人も多いのではないでしょうか。

よくある機能一つとっても、その機能を使うまでの操作ステップをユーザーが日常的に使える、使おうと思える程度に少なくしてあり、機能が形骸化せず実際に使って便利なものになっていると実感します。

4.信頼して使えるセキュリティが担保されている

4つ目の特徴は、その抜群のセキュリティ性能です。
使用していて驚くのが、バークレイズアプリから一瞬でも離れると、アプリが自動シャットダウンされ、バックグランドからアプリに何も操作を加えられない仕組みとなっています。

アプリ内ではスクリーンショットも撮れないようになっており、金融アプリの中でもトップクラスのセキュリティと言われています。また、iCloudなどと同様に、最初に口座開設作業をしたデバイス以外でログインするには新たにデバイスの登録作業が必要になっており、第3者が別端末を使って自分のアカウントを不正使用するようなトラブルに対する安全性が高くなっています。

300年以上の歴史ある伝統的な銀行としての“安全性・信用”を保ちながら、ほぼすべての銀行関連の作業をアプリ一つで完結できるという意味で、利便性・セキュリティのバランスがよく取れており、信頼感を持って使えるサービスであると自分もいちユーザーとして素直に感じます。

5.ユーザーが支出する目的ごとに決済の可否を制限できる(撮影:i.lab, Inc.)

5つ目の特徴は、ユーザーがデビットカードやクレジットカードを使用する際に、支出の目的ごとに決済の可否を設定できる機能がついていることです。

Merchant Control(購入管理)画面で、ギャンブル、携帯と課金サービス、飲食、ガソリン、食料品など、支出カテゴリーごとに、カードの利用に制限をかけることができます。ギャンブルへの支出を減らしたいとき、親族に渡したファミリーカードの用途を制限したいときなどにこの機能を使用します。

単に「支出上限額を設定できる機能」はありふれていると思いますが、「支出カテゴリーごとに制限をかけられる機能」はなかなか珍しいのではないでしょうか。

この機能はユーザーに対し、「消費行動のあり方をカードを媒介にしてコントロールできる」という価値を提供しています。バークレイズが、カード決済を行う際にユーザーが何を意識して使うのかまで考えているからこそ、設計できた機能であると言えるでしょう。

こういったさまざまな機能を持つアプリを通じて、バークレイズはユーザーに対し、昔から銀行に求められているサービスを効率的かつ安全に提供すると同時に、「ちょっとした割り勘」や「お金そのものの管理ではなく、自分とお金との関係性をコントロールすること」など、日常のお金に関する課題やニーズへのソリューションまで提供しています。

こうした、ユーザーの身の回りの願望や悩みを包括的に捉えていく姿勢が、結果として、ユーザーとバークレイズのより身近で生活に寄り添った形での関係性の構築につながっているのではないでしょうか。

ユーザー中心にデザインされた現実世界でのエクスペリエンス


また、デジタルだけでなくリアルにおけるサービスでもバークレイズならではの特徴があります。

デジタル化の波を受け、他の銀行同様にバークレイズも支店数は減らしていますが、一方でATMでは人間のオペレーターと会話できるシステムが導入されていたり、ほぼ全ての支店で視覚障がい者などアプリ操作に慣れない人々へのサポートがあったりするなど、アプリだけで自分のやりたいことを完結できない人を中心にしたエクスペリエンス設計がされています。

私自身の体験で言うと、例えば、渡英したばかりで英語に不慣れな時に、デビットカードを盗まれてしまい、店舗に赴いてカードの不正利用状況の確認や新しいカードの発行をしてもらったことがあります。

オンラインでもカード凍結はできますが、実店舗では、私のように渡英したばかりで高度な英語を自力で理解するのが難しいユーザーに対するサポート体制が整っており、ワンストップで相談から事後対応まで一通りのトラブル対応をしてもらえたので大変助かりました。

アプリを通じたデジタルサービスを主軸にし、それをユーザーとの第一のコミュニケーションチャネルに設定しつつ、店舗では手厚い接客や物理的なモノの受け渡しなど、リアルだからこそ提供できるサービスを高い水準で提供しています。ユーザーのエクスペリエンスをデジタルとリアルが互いの強みを活かして補完する関係になっていると言えるでしょう。

デジタルが強調される現代だからこそ、リアルの店舗の役割とそのあり方の定義づけが、金融業界のみならずあらゆる業界で必要になってきていると思います。バークレイズの場合はデジタル・リアルが相乗効果を生むようユーザーの視点でエクスペリエンスを考えるというやり方で、店舗の再定義を行っているのだと思います。

人間中心デザインを取り込んだ組織が得たものとは?




ここまでは、アプリや店舗の特徴をもとに、バークレイズのユーザーエクスペリエンスを檜山から紹介してまいりました。

結局のところ、人間中心デザインという考え方はバークレイズに何をもたらしたのでしょうか。
最大の功績は、「ユーザーの視点をベースにして、この社会における企業としての存在価値を定義できたこと」と言えるでしょう。

バークレイズのデザインチームは、ユーザーの目的・目標の達成を支援する一つの事業グループとしてバークレイズのあり方を定義しました。それがバークレイズグループ全体に採用され、実際にバークレイズのあり方に大きく影響を与えています。

企業としてのあり方が変わるというのは、当然ながら様々な企業活動に影響を与えます。人間中心デザインという考え方によって、バークレイズに生じた変化を改めて整理しました。

外向きの変化

  1. 首尾一貫したユーザーエクスペリエンスの提供が可能になった
    バークレイズのデザインチームはグループ全体で首尾一貫したユーザーエクスペリエンスを設計することを一つの役割としていました。これはユーザーに対しどんな価値を提供すべきか、ユーザーから見てどんな存在であるべきかということにしっかりと向き合った結果として実現できたと言えるでしょう。

  2. 生活に根差したサービス・プロダクトを提供できるようになった
    ユーザー目線でのサービス・プロダクト開発を行っていくことで、割り勘などユーザーのリアルな生活シーンの中に潜む課題やニーズに着目するようになるため、そういったプロセスを踏まない場合のサービス・プロダクト開発に比べてより身近で生活に根差したものが提供可能になります。

  3. 自社や自社サービスのブランド力が強化された
    英国においてバークレイズは、使いやすい、生活の中で必要不可欠なものという評判を獲得しています。これはバークレイズが意識的に自社のサービスをユーザーの生活に必要不可欠なモノとして作り込んでいるからです。


内向きの変化

  1. ユーザーにとっての意味を問いかけことを通じて、自社がどうあるべきか考えることが習慣化した
    人の生活のあり方や価値観が常に変化するものであるがゆえに、人間中心という考え方を実践するには常にその時代・その環境に合わせて人々が本質的に求めていることは何か問い続けることが必要不可欠です。バークレイズではデザインチームが担っていますが、こういった問いかけを行うことは、自然と、ユーザーとのあるべき関係性、事業のあり方、組織のあり方、自分たちが働く意義、などより深く大きな問いへと繋がっていきます。このような問いを生み出し続けることがバークレイズに生じている大きな変化の一つの原動力になっているとも言えるでしょう。

  2. 数字で評価できない新しい取り組みが推進しやすくなった
    バークレイズはリテール事業においてオンラインバンキングを主軸としてサービス開発に注力しつつ、店舗でのサービス内容もデジタルとリアルが補完関係になるように変更しました。デジタル化の煽りもあるとは思いますが、このような財務上のメリットが個別具体的な数字として説明できない全社的な取り組みをバークレイズが推進していけるのは、ユーザーの目線で捉え直した自社やサービスのあり方、個々のサービスが提供すべき価値と照らし合わせて、それらの取り組みが必要不可欠であるという経営上の判断があったからです。

  3. 組織の横連携が進んだ
    バークレイズでは部門横断的なチームによるアプリ開発や業務改善が進んでいます。これは従来の組織構造がある程度定形化されたソリューションや業界に応じた縦割り構造だった一方で、近年ではユーザーに特定の価値を届けることに最適化したチーム組成・組織変更・制度改定が行われているためです。


まとめになりますが、バークレイズは、人間中心デザインの考え方を取り入れることで、問いを立てる習慣を身に付け、ユーザーの目線で自社の社会における存在意義を定義付けし、その存在意義を果たすための価値創出に特化した仕組みや自社の生み出した価値をユーザーに伝えるブランドコミュニケーション力を手にいれたと言えるでしょう。

あとがき


バークレイズが人間中心デザインをどう取り入れ、どのように活用したのか、何を得たのかを前編・後編にわたってご紹介してきました。
組織の中で、社会における自分たちの役割を定義づけ、それに合わせて組織体制やユーザーとのコミュニケーション方法を整えるということを行っていく際に、人間中心デザインという考え方が、行動のヒントになるかもしれません。

i.labでは人間中心デザインという考え方を用いて、新規事業創出、組織制度づくりなどの支援実績が多数ございます。本記事をお読み頂き、ご質問・ご相談等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

執筆:i.labインターン檜山(Hult International Business School)
執筆・企画・ディレクション:Service and Business Designer  塚原

<参考資料>

  1. 原文:We've grown the Design team at Barclays over the last 5 years, and our culture is driven by our purpose: Helping people move forward in their lives with confidence. This means being able to protect what's important to them, manage their lives as easily and simply as possible, and achieve the goals and ambitions they set for themselves. Our Design team is passionate about understanding the real human problems, challenges, hopes and dreams our customers experience, and creating services that empower customers to succeed.

Author
塚原章裕

Toshihiro Tsukahara
i.lab Service&Business Designer

一橋大学商学部卒業。ischool修了生。総合商社にて輸送機グループの予決算業務に従事した後、現職。デザインリサーチ・サービスデザイン・ビジネスデザイン領域を担当。在学時にAalto University(Finland)にてInnovation/Design Managementを学ぶ。Hitotsubashi Global Consumer Survey、博報堂グループ会社での生活者調査、エチオピアでのプロボノ活動などを通じて、日本・中国・インドネシア・エチオピアにおけるトレンド・ユーザー・マーケット調査の経験がある。共著「インドネシアはポスト・チャイナとなるのか アジア巨大市場の10年後」(同文舘出版)。

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